さて、子供たちの居住区も様々なので、学校の制度も様々。パブリックやプライベートの子もいれば、日本の制度にはないホームスクールという選択もある。スポーツや芸能人の子供たちは専門分野に集中できるように、ホームスクールをしている子は少なくない。ホームスクールもオンラインで学べる様々なプログラムがあるようだ。
「王様と私」の13人の子役たちはリハーサルからプレビュー公演、本公演の開幕までの10週間は普通の学校に行かずにカンパニーが雇った家庭教師3人の元で一日最低3時間、週に15時間勉強することになるが、これはホームスクールの扱いとなる。ではその期間、通っていた学校ではどういう扱いになるのか。それは州の決まりにもよるし、学校・校長先生の方針によるところが多い。
ニューヨーク州は決まりが細かく厳しいものの、資格のある先生の元で一日3時間勉強したという証明があれば、学校に行かなくても出席扱いとなる。りんが住むニュージャージーのタウンはそうはいかず、一旦退学し、4月に学校に戻る時にまた再入学の手続きをしないといけなかった。他にもニュージャージーに住んでいる子はいたが、退学しないといけなかったのはりんだけだった。。。それでも、担任の先生は学校の進度に合わせて宿題を教えてくれるなど、校長先生もそれなりに協力的で助かった。
さて、リハーサルにはindoor shoesが必要とのことだったので、日本の補習校で使っていた日本の上履きを履くことにした。そして、リハーサルでは奥方たちの役もそうだが、横すわりになることが多く、膝が痛くなるということなので、カンパニーから膝当てを用意してもらった。この膝当ては公演中も使用したらしい。
ランチの時間は子役たち皆でロビーで一緒に食べた。お弁当の日もあれば、デリでサンドイッチやテイクアウトを買ってくる時もある。慣れてくると、用事がある時は他のママたちにりんの面倒を頼むこともできるようになった。でも交代制ではなく、何かあった時は恐いので、基本的に自分の子供は親が面倒を見る。
男性アンサンブル日本人メンバーのあつさんこと四宮貴久さんのブログから写真を拝借しましたー。
さて、ニュージャージーの日本人が多いエッジウォーターにミツワという日系スーパーがあるのだが、渡辺謙さんがたまにミツワに出没するらしいと聞いていた。自炊しているので買い出しに休日の月曜日に買い物にくるのだ。ニューヨーク滞在中の半年間、ほとんどリンカーンセンターの外を出る暇はなかったそうなので、週に一回のミツワが息抜きの場になったのでしょう。それで、最初の月曜の休みの日にりんと一緒にミツワのフードコートでお昼を食べながら謙さんの話をしていたら、
本当に謙さんが現れた。(驚!)
あわあわしながら近づいていくと、りんも一緒だったので、「おー!」と言って向こうも近づいてくる。自己紹介をすると、「りんちゃんは今日学校じゃないの?」と質問をされた。子役たちはリハーサル中は学校に行ってないことを知らなかったらしい。こちらが色々子役のことなどの話すと、興味深そうに聞いてくれて、最初のリハでりんちゃんがマフィンを届けたので「おみやげをどうもありがとうございました。」と丁寧に応対してくれた。さすが超一流の国際派俳優は人間的にも一流だと納得。その後、お付きの人と昼食を食べにいった。
その後、3回ほど謙さんとミツワでばったり会うことになる。最初は何を話しているかわからないくらい緊張したが、その内普通に話せるようになった。劇場ではほとんど私は話す機会がないので、ミツワでちょっと話せるのが嬉しかった。他の友達もミツワで謙さんを目撃したようで、勇気ある友人が「私はりんちゃんの友達です。」と言うと、謙さんも「ぼくもりんちゃんの友達です。」と言ったそうだ。(笑)
ある日、テレビを見ているとハリウッド映画ラストサムライを放送していた。そういえば、まだりんが産まれる前に映画館で夫と一緒に観に行ったのを覚えている。
その時は、ついに日本人がハリウッドに進出して対等に渡り合えてすごいなー、と思っていた。まさか、その後産まれてくる娘がこの映画スターとブロードウェイの舞台で共演するなんて、、、夢にも思っていなかった。人生何が起こるか本当に分からない。