18. ドレスリハーサルと車のレッカー

いよいよ一ヶ月余りのプレビュー公演が迫ってきた。プレビュー公演は試験的な公演で、演出家と助手、振付家と助手のクリエイティブチームが毎日観客席に立ち会い、細部の調整を続けていく。振付家のクリストファー・ガテリ氏が子供たちが登場するMarch of Siamese Childrenの振り付けも手がけた。このシーンはアンナ先生に子供を一人ずつ紹介するシーンなので、子供一人ひとりの特徴をよく表すように振り付けられている。

ちなみに私はてっきり演出家のバート氏が双子役を決めたのかと思っていたが、実はガテリ氏だったらしい。リハーサルの初日にオリビアと、一番小さい男の子のテイモシーを並べさせて背比べをした。3人共大体同じ背の高さだったが、ガテリ氏と助手のグレッグがこそこそ話していて、数分後にオリビアとりんが呼ばれて双子役に決まったそうだ。マーチでは双子が顔の向きやおじぎなど、同じタイミングですべての動作をし、観客の笑いを誘った。

Photo: Paul Kolnik

テクリハは結構押していて、前日のドレスリハーサルは事前にスケジュールされていたものの間に合わず、プレビュー公演初日の数時間前のドレスリハーサルでやっと全部通すことができた衣装もギリギリで、大まかにはできているものの、細部はまだ完成していない衣装も多かった。子役たちだけでも3着あった。

このドレスリハーサルで、公演中に着替えを手伝う衣装係(dresser)と、髪の毛を結い上げるヘア係(hair dresser, wig or hair)に初対面。一年前のバレエの発表会で、ママたちが楽屋で大慌てで着替えを手伝い、髪の毛を結い上げてメークをしていたのが嘘みたい。

さあ、そして夕食をとった後、いよいよブロードウェイデビュー!親としては、それまでの6週間のリハーサルを全く見られなかったので、やっと見られる!というワクワク感と、今後は公演時間がほぼ同じなので迎えの時間が読みやすい、という安堵感もあった。

 

さて、このプレビュー公演の前日、車を路上駐車をした際に消火栓に近すぎてレッカーされたショッキングな出来事があった。

停める時は自分では十分消火栓から離れていると思っていたし、ちゃんと標識も見て、駐車できる場所と時間帯かチェックしたつもりだったので、最初はレッカーされたとは思っわず、もしかして盗難?と思った。

そして、リハーサルが終わる前に車を見に行くと、

車がない。。。

途方にくれていると、家にいるはずの夫から電話が。

「君の車が見えないけどどうしたの?」

???

その日はなんと、たまたま夫と息子が散歩がてら迎えにきてくれたのだ。(散歩と行っても歩いたら2時間以上の距離)近くのアパートのセキュリティのおじちゃんと話したら、

「ここはよくレッカーされるんだよねー。38丁目と12アベニューだよ。Good Luck!」

夫は幸い(?)レッカーされた経験もあったので一緒にタクシーでレッカー場に行き、罰金300ドル以上を払って、夜中過ぎに無事に車は戻ってきた。こういうお役所は全く雰囲気よろしくないし、気分も落ち込み、罰金も痛かったけど、

夫が奇跡的に一緒にいてくれてラッキー。これからすごい良いことが起きるに違いない。

と思うようにした。一人でりんと一緒に全部対処しないといけないと思ったら、ゾッとする。

教訓:消火栓からは15フィート(4.5メートル)離れているのを確認してから駐車しよう。

いやはや、マンハッタンでは駐車との戦いである。

 

 

 

 

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