公演の内容を逐一説明していたら、いつまで経っても終わらないので、他の記事で２幕他のことを記述することにして、ここはプレビュー初日後のことを書こう。
プレビュー初日の公演時間はなんと３時間２０分あまり。夜８時公演開始だったので、終了したのは１１時半ごろ。公演後の打ち上げパーティーに向かった時は既に夜中の１２時！打ち上げに使われたレストランは後にトニー賞の受賞パーティーやクロージングパーティーでも使われることになるリンカーンセンターの向かい側にあるP.J. Clarkes. これはKing and Iのケーキ！
ビュッフェ式で食事は美味しかった。パーティーでは他のキャストの方たちやスタッフ、楽団員とも会話をすることができ、音楽家との距離の方が近い私としては嬉しかった。ここで初めて謙さんとの写真をパチリ。レストランは暗かったのであまり映りはよくないけど、リンカーンセンターが背景の貴重な一枚。
次の日もリハーサルが昼からあり、夜は公演なので長居はせずに帰路についた。いよいよ週に８回公演の生活が始まる。プレビュー期間中は体力的にも精神的にもハードなスケジュールになるので、今後さらに気を引き締めていかないといけない。ディレクターとアシスタントたちは毎公演、観客席でノートをとっており、リハーサルで修正→数時間後の夜の公演で試す→次の日のリハーサルで修正、の繰り返し。
普通ブロードウェイの公演の時間は大体２時間半から２時間４５分。３時間以上だと楽団員は超過料金が支払われるため、プロデューサー側としては３時間以内におさめたい。なので、プレビュー期間中にどんどん台詞をカットしていき、シーンごとの流れを良くしていき、２幕のバレエのシーンも大幅に手を加えた。結局公式な公演時間は最終的に２時間５５分になった。
このプレビュー公演は３９公演あったが、期間中私はほぼ毎週公演を観に行った。毎回アンナ先生と王様の衣装の種類も増えてきて、いろんなシーンも改善されているのが分かるので面白い。幕開けのボートが動くシーンではスモークが使われるが、初日はスモークが多すぎてオーケストラ席まで真っ白になってしまい、団員は楽譜が見えなくなってしまった。王様のガード役の人が舞台から後ずさりする時にオケピットに落ちそうになったり、カーテンが閉まらなくなったり、色々とハプニングはあった。
子供たちにとって、このスケジュールは時間との戦いで厳しかったものの、いつも楽しそうにしていた。りんは、最初のうちはリズムがつかめず、公演のあとは興奮しているしお腹もすいて軽食を食べたのでなかなか床につけなかった。徐々に慣れてくると、公演中に軽くおやつを食べて、公演後は何も食べないようにしてすぐ寝れるようにした。
この期間中のスケジュールは、朝１０時頃起床→１２時頃リハーサル・勉強→夜８時公演→１１時２０分帰路。普通の子供のスケジュールでは考えられない。今は朝遅く寝られるが、これが本公演が始まって学校に戻ったらどうなるのだろうか。朝８時３０分には家を出ないといけない。不安が募る。
この頃から私の頭にあることは、健康管理と栄養補給。子供たちが遊んでいるときはケガがないように。疲れている時は車で昼寝。外食ばかりだと栄養が偏るのでつくれるときは弁当を持ってくる。自分の子供なのになんでこんなに気を使わないといけないんだ、というくらい気を使っていた。友人に「自分の子供でも商品になってしまったからね。」と言われて、納得した。