ほどなくして、リンカーンセンターの係の人から電話とメールがあった。今後はキャスティングディレクターではなく、リンカーンセンターにバトンタッチというわけだ。全く初めてなので、わからないことばかり。
1)日程
リハーサルが始まるのは2月5日から、プレビュー公演は3月12日から、そして本公演は4月16日からとなっている。期間は、、、無期限。えっ?
ブロードウェイはロングランになるのを目標としているので、主要キャスト以外は無期限の契約(open ended contract)。やめたい時は4週間前に通知すること。
そして、子役はローテーション制かと思いきや、全公演週に8回出演!月曜日は休演日、水曜日と土曜日は2公演ある。ひえー!!それって児童就労法に違法ではないの?と思ったら、ニューヨークは大丈夫だそう。でないと子役はよるの舞台に立てない。夜公演は11時に終わるし、どうやって公演と学校を両立させるのか?
2)学校
リハーサルは2月から始まるが、リハーサル中とプレビュー公演中の10週間は家庭教師がついて一日3時間の勉強時間を確保し、あとの時間はリハーサルとなる。大体午前中10時〜1時まで学校。1時間の昼食、2時〜6時までリハーサルとなる。 On Location Educationという子役専門の家庭教師派遣会社から3人の先生が13人の子役の勉強を見ることになる。 要するに普通の学校は10週間休むことになる。果たしてどうなることやら。
3)親と子役係
親はリハーサルや公演中は劇場の中に入れない。劇場の中は子役係(guardian)が3人いて、劇場の中は彼女たちが子役たちの面倒を見る。子役が劇場の中で一人でいることがないように、トイレにも引率するらしい。
でもリハーサル中の昼食1時間は親がいないといけない。子役係も休憩の時間だからだ。そういえば、普通の学校でも先生は昼食中は休みだったなー。日本とは大違い。要するに朝10時に子供を送っていき、1時から2時は昼食の面倒を見て、また6時に迎えにいく。うわー。ってことは家に戻れないということじゃないか。
やっぱり親も中途半端な気持ちではやっていけない。
4)手続き
まず最初にすることは娘の銀行口座を開くこと。これは親が子供の金を使わないように保護されている信託口座。この口座に給料の15%が振り込むようにと法律で決められている。
そして、ニューヨークのChild Performer’s Permit (子役労働許可証)を取ること。学校、健康診断、銀行口座の証明と共に申請書を送ると2週間ほどで紙切れ一枚の労働許可証が送られてくる。これは毎年更新しないといけない。
5)写真ヘットショット
オーディションの時に大急ぎで撮ったヘッドショットはあまりにも素人すぎるので、プロに頼むべきかと思ったが、いや、そういえば娘の友達のパパがアマチュアカメラマンなので、頼んで見ることにした。これがなかなかうまく撮れていて、リンカーンセンターの公式サイトやプログラムに載せてある写真である。2014年11月撮影
Charlie Okuboさん、ありがとうございます。(ちなみにチャーリーさんは純粋な日本人(笑)。上の写真は凍える中、笑顔をつくる9歳の少女。プロ根性があるねー。下の写真はつい最近(2016年11月の写真)2年前もそうだが、サンクスギビングを一緒に過ごし、じゃあ翌日に写真を撮ろうか、という話になる。