10. オーディションをふり返って

この時期にTV Japan(アメリカで見られる日本のテレビチャンネル)でNHK連続ドラマの「花子とアン」を子どもたちと一緒に見ていた。

曲がり角の先に何があるか分からないけど、今よりもっと凄い事が待っているに違いない」
夢はあきらめたときに消えてしまう。決してあきらめないで。
花子の台詞がこの1ヶ月半のキャッチフレーズになっていた。

今回のサクセスストーリーを自分なりに分析してみた。

1)タイミング

今回のことは何と言ってもタイミングがすごい。

日本の一時帰国からアメリカに戻るのが一週間遅かったらこのオーディションは受けられなかった。実際他のアメリカにいる友達はまだ日本に帰国中の人が多かった。
今回はアメリカに戻ってから5日後に西田れみな先生からオーディションのメールがあり、その一週間後にオーディションだった。一週間という準備期間は短いが、オーディション日告知から普通は2ー3週間。オーディションの二日前にれみな先生のレッスンを受けられた。

2)運

この「王様と私」というミュージカルの子役たちはシャム国(現在のタイ)の王子と王女という設定で、劇の中ではメインのキャラクターではない。役でいうとアンサンブルというその他大勢である。ソロで歌うパートはなく、大体はアンナ先生の教え子として群がっているイメージ。なので、あまり子役慣れした子ではなく、普通の子供っぽい子を求めていたのである。そして、アジア人の子役はこの業界にそんなに多くいない。

3)準備

この短い期間に準備ができたのも、親である私がピアノ教師というのも大きい。普通はピアノと一緒に歌の練習ができない上、レッスンにピアニストを雇わないといけないらしい。私は歌のテクニックはよくわからないが、音楽家なりのアドバイスができて、ピアノで一緒に練習できるので、他の子よりは有利であったとは言える。私もレジュメなどを書いた経験はあるので、写真やレジュメも何とかなり、キャスティングの人たちとのやり取りもできた。

4)れみな先生のサポート

言うまでもないが、れみな先生がいなかったらこの話はありえない。れみな先生からオーディションのお知らせがきて、レッスンを受け、業界の情報やメンタルのサポートもしていただいた。

5)下地と度胸

オーディションの前3年間はミュージカルらしいトレーニングは受けていなかったにせよ、その間ピアノで小さいコンクールに入賞し、カーネギーホールに4回演奏しており、ピアノの発表会でも年に2回演奏していた。そしてバレエも4歳から9歳まで続け、年に一回の発表会はソロを踊ってトウシューズも履いていた。ということで、人前で発表するということは慣れていた。そういう所から度胸がついたに違いない。2歳半から5歳まであすなろ国際学園に通い、ブロードウェイキッズでミュージカルをしていたのも本人はあまり覚えていなかったが、体が覚えていたはず。

6)才能

才能に関しては、幼稚園の時に歌ったり踊ったりしたりしてそれなりにうまくやっていたものの、まさかブロードウェイに受かるレベルにいけるなんて、これっぽっちも思っていなかった。

私はオーディション室の中に入れないので、中で何が起きているかは分からない。ディレクターは”She is very talented and organized.”と褒めてくれたそうで、キャスティングの係りの人も”She was fantastic, and she is so talented.”と言っていた。何を見てそう思ってくれるのか親でもよくわからないが、何か光るものを見出してくれたのだろう。

*****

と、自分なりに分析してみた。

この条件のすべてが整わないとうまくいってなかったはずだから、

このとてつもない機会に、神様に感謝。

 

10. オーディションをふり返って」への2件のフィードバック

  1. 後半半分、読みました。メリハリがあって、良い文章でした。「智子は親より、凛ちゃんも親より、才能も度胸もあった」と言い切れると思います。これからはトランプ新大統領の下、世界は変わると思う。そういう中で、凛ちゃんは雄々しく、賢い子として生き抜いて欲しいと思います。パパ 12/7

  2. 今回の経験は色々な事が重なっての成功がある。でも、誰にでもチャンスはあるのかもしれないと思ったら、自分への励みにもなったよ。

    もちろんリンちゃんの才能もあったからで、それを引き出し、親のサポートなしでは、成り立たなかった事でもあるよね?

    これからの自分を見つめ直す良い機会になりました。

コメントを残す